皆様、こんにちは。福祉Biz.編集長の田中貴士です。コロナ情勢の中で日々現業に励まれておりますこと心より労いの言葉を申し上げます。コロナウィルス前後で私たちの生活は一変していますが、福祉施設で働く皆様はいかがでしょうか。人と会話をすることや触れ合うことなど、コロナ前に当たり前としていたことができない。施設への作業依頼量が減り十分な就労作業時間が取れない。実体の見えないウィルスを恐れ、日常に制限をかけて業務をしなくてはいけない。などが起きているのではないかと推察いたします。私も緊急事態宣言の中で仕事ができない期間を経験しました。コロナによって大切なものが失われていった時に、私たちは日常の中にあった「当たり前の素晴らしさ」に気付かされているのだと強く思います。だからこそ、障がい者一人ひとりの人生に寄り添い、その人の幸せを心から願い、そのお手伝いをする福祉の仕事はこのような環境の中でも決して失ってはいけないことがあると私たちは考えています。それは、利用者様とのマインドディスタンス（心の距離）を縮めることです。確かに触れ合うことやお互いに話をすることはコロナウィルス感染のリスクとなります。しかし、
◆相手に触れて相手から触れられてお互いの心を感じ取ることができる
◆相手の気持ちをたった一言で推し量り、想いを込めた言葉で相手に元気を与えられる
◆温かい表情・真摯な姿勢・丁寧な立ち居振る舞いで安心を届けることができる
私たちの仕事にある素晴らしいものがコロナを原因として失われてはいけないとコンサルティングの現場で強く思います。確かにリスクを排除するための予防・対策は重要ですが、例えば
◎利用者と職員のマインドライン（心と心を繋ぐ糸）は太くなっているのか
◎施設で過ごす何気ない日常の生活・風景を守れているのか
◎目指す支援の理想を今こそ描き、職員が納得するまでそれが提供できているのか
このような視点はこの環境の中で非常に大切になるのではないかと思います。出会う施設の方々全てが本当に特別な想いで日々利用者さまや地域の方々に仕事の中で貢献されておりますが、経営者さまから「現場で今すぐできる、このような時だからこその実践事項はありますか。」と聞かれます。私はこれまでの素晴らしい施設の職員さまとの出会いで学んできたことで、以下の５つを強くオススメをしております。今回の記事の最後にそれを紹介したいと思います。
①利用者様・ご家族の心的変化（心の機微）を把握する「ヒアリング」
②地域・生活のグッドニュースの「収集とリリース」
③基本の徹底的な見直し（マスクを感じさせないとびきり笑顔・不安を吹き飛ばす声のトーン・丁寧さを磨く所作）
④施設外活動・余暇活動などの「安全性アップ＆早期再開」
⑤相手に想いを馳せた「時候のお手紙」
以上です。
今回のことで利用者さまとのソーシャルディスタンスはしっかりと取りながらもコミュニケーション頻度が各段に増した施設さまがございましたし、暗いニュースで覆われる地域を変えたいと頑張っている人に焦点をあて、生活にメリットのある情報を職員全員で地域に出て集めて、利用者さまやご家族に提供する施設さまもございました。特に「コロナに負けない手軽に作れる健康レシピ（あなたのお隣さんのおうちゴハン）」を地域へポスティング発信された施設さまの取り組みは多くの良い反響の声が返ってきました。コロナ前に利用者さまに提供していたサービス品質を「優しい表情・声・所作」というキーワードで夜間研修を開いて磨かれていた施設さまもありました。「コロナ前で実践できていた一つひとつの仕事の動作や利用者さまへの支援サービスの所作が、コロナ後で短縮もしくは省略化されたら一気に相手の心は離れてしまうでしょう。だからより丁寧に・真摯に・熱心に一つひとつに想いを込めるのです」と現場職員さまが話されておりました。コロナ後の「日常の在るべき姿とは何か」を考える大きな気付きがあったエピソードです。また、これは私自身が経験しましたが、季節の移ろいの美しさ、私の仕事に想いを馳せて日々の労いの言葉をお手紙で送って下さった職員さまもいらっしゃいました。私のような外部の人間に対して想いを馳せて下さるのですから、きっと利用者さまやご家族にも愛ある想い・元気を届けていらっしゃるのだと思います。ここにご紹介させていただいた取り組みは全て実施事例で「生きているもの」です。是非この記事をお読みいただき、コロナ前後で関係なく「失ってはいけないもの」を見出し、現場で即実践できる取り組みに昇華して、行動されることがあれば非常に嬉しく思います。私たちはこれからも皆様の施設経営を応援しております。何かお困りごとがあればお気軽にご相談下さい。この度は最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
福祉Biz.編集長 田中貴士
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