皆様、こんにちは。福祉Biz.編集長の田中貴士です。一部の地域で緊急事態宣言が解除されましたが、経済や経営など数々の問題に対する解決の糸口が見えてこない、コロナウィルスの情勢。観光・宿泊・飲食業の被害は特に顕著で、統計データには今回のコロナウィルスによる経済損失は200兆円を超えるというものもあります。では、私たち福祉業界への影響はどうでしょうか。私は短・中・長期でこれからの福祉業界は大きく変わっていくと考えています。今回はそれぞれのスパンでのキーワードも示して福祉活性化チームの仮説をお伝えし、これから福祉施設が取り組むべきことをご紹介したいと思います。
■短期（現在～2020年12月）
『安心・安全のニーズへの対応力』
→激変した日常・生命の危機・工賃の減少/集団としての職員の結びつき・働き方に対する過剰反応が大きくなっていきます。
■中期（2021年～2023年）
『自助の力をつけて更に貢献する』
→従来の常識から脱皮し、自らの力で施設を持続可能な状態に変える努力をしない施設は存続不可能と推測しています。
■長期（2024年～2028年）
『地域の灯となる憧れの存在』
→絶対的非代替の存在として地域に真に求められ、愛される施設に業界内で輝く理想像があると考えています。
現在の状況が即効性のあるワクチンや経済対策などで劇的に改善しない限り、今回のコロナ関連の問題は秋口まで尾を引く想定をしておくべきです。仮に8月末から9月にかけて終息傾向が強くなったとしても、第2波が到来すればまた元通りの状態になります。年内までを一区切りに短期的に業界全体を俯瞰すれば、今回のコロナに対する取り組みによって施設評価は明確に分かれていき、お客様から支持される施設とされない施設の２極化がますます進行していきます。福祉Biz.では、今こそ皆様に伝えたいことを「施設経営のガイドライン」としてＳ・Ｙチャネルで無料発信しておりますが、「危機時こそ現業でお客様に貢献する」と考えて、最大限の予防・対策を講じて、尚且つお客様に喜ばれることに着手した組織は業種関係なくお客様からの指示も経営数値も高い状態です。現実に対してジタバタとできる努力を積み重ねた集団は間違いなく危機を乗り越える体力を身に付けていると言い換えることができます。
今こそ、以下の２点の取り組みが最重要となります。
〇危機に負けない施設の思考・行動（ガイドラインの内容）
〇職員が一体化する強い施設の構築
※ガイドラインの内容に関しては、S・Yチャネルや別の投稿をご覧ください。今回は強い施設の構築手法をご紹介いたします。本チャンネルは無料で会員登録が可能です。お気軽にご連絡ください。
福祉施設の現状を見る中で気になることは組織の縦の関係性に大きなひずみが起きているという点にあります。顔を合わせてコミュニケーションを取る機会が減っていることや、危機時に「何を優先するのか」「このような時でも変えてはいけないことは何か」ということが定まらずにトップから職員、職員同士の意思疎通や動きにブレが生じるということが大きな原因になっています。では、その状況を如何に脱していくのか、私は以下の３つのポイントがあると思います。
＜短期の即実践事項＞
〇zoomなどのＷＥＢを活用したコミュニケーション媒体の導入
〇経営トップから現場職員へのダイレクトコミュニケーションの実践
〇経営理念に基づく優先順位の共通言語化/全員アクション活動の推進
危機時の施設経営のポイントは、「変えてはいけない、施設が守るべき中核を見える化すること」「取り組むことの優先順位を明確に決めて共有すること」「やるべきことは複雑な指示ではなくシンプルに要点を絞り込んだ指示を出すこと」「現場で生まれる悩み・迷いはその場で解決するレベルで迅速に解消すること」にあります。
このポイントで強化すべきことを考えていくと、コミュニケーション頻度は平常時よりも密に行うべきであり、出来る限りトップから明確な方向性が示され、職員一人ひとりに寄り添える体制を築くことが重要です。当たり前ですが、危機時こそ組織の根幹（経営理念）に立ち戻って物事を考えられる、コミュニケーションのベースにできることが最も大切です。今回は短期で実施すべきことをご紹介していますが、上記３点の即実践事項はどこまで実施できているでしょうか。
経営理念をベースにトップから現場を強固にまとめ上げて、お互いの気持ちを通わせるためにコミュニケーションを活発化し、協働の仕事を全員で進めていくことを心掛けて下さい。必ず中期のステージに進んでいけると思います。今後も福祉Biz.では様々な情報を発信していきます。是非今後もよろしくお願いいたします。お読みいただき誠にありがとうございました。
福祉Biz.編集長 田中貴士
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